幕間

温かい暗闇の中、五条は立ち尽くしていた。「ここは何処だろう」という当然の疑問も、数秒後には消えてしまうような、そんな緩んだ空気が流れている。足元も頭上も、それどころか自分の指先まで把握できない異常事態なのに、五条は緊張感を維持できないでいた。
何処かはわからない。何もわからない。のに、五条は、ここが安心できる場所だと知っていた。
日だまりにいるような心地良さを感じながら、抗えない眠気に、五条はゆっくりと目蓋を閉じる。